大人しく、初心者でも飼いやすいという理由で人気のボールパイソン。
モルフが豊富なのも魅力の一つですよね。
本記事ではそんなボールパイソンの飼育方法について簡単に紹介していきたいと思います。

どんな蛇?

ボールパイソンは爬虫類網有隣目ニシキヘビ科ニシキヘビ属に分類される蛇で、別名をロイヤルパイソンともいいます。
和名ではボールニシキヘビといい、主にボールという愛称で親しまれています。

身の危険を感じるとボールのように丸くなって防御体勢をとることからボールパイソンという名前が付けられました。

主にアフリカ大陸中部から西部の草原や、サバンナ、開けた森林、農耕地の周辺などの温帯に生息しています。

また、ボールパイソンはピット器官といわれる赤外線を探知する器官をもち、臭いや振動、目のほかに熱で餌となる獲物を探します。

ボールパイソンの性格

臆病で神経質な個体が多い蛇です。
頻繁に咬みついてくるような個体は本当に少ないですが、臆病な反面拒食になりやすいといわれています。

また、蛇といえばシュルシュルと動いているイメージがあるかと思いますが、ボールパイソンは大人しく、じっと佇んでいることが多いです。
動きもナミヘビと比べると素早くないので初心者にも扱いやすい蛇です。

寿命や大きさ

寿命は平均10~20年で、飼育下で40年も生きた記録もあります。
全長は150cm程度で、まれに大型化する個体もいます。

うまく飼育できないと120cm程度で成長が止まってしまうこともあります。(爬虫類は生きている限り成長するので、成長が止まるという言い方は相応しくはありませんが)

しかし、ボールパイソンは長い蛇というよりも、太く短い蛇なので短くても十分迫力はあると思います。

また、大抵どの蛇にも言えることですがオスよりもメスのほうが大きくなる傾向にあるので、大きい蛇のほうが好き!といった方は餌食いのいいメスを選ぶといいでしょう。

温度と湿度

温度は30度前後、湿度は60%を目安に保つようにしましょう。
温度が低いと消化不良や拒食などの原因になり、湿度が低いと脱皮不全の原因になります。
ベビーは少し温度を高めに設定してあげてください。

また、温かいところと涼しいところを作り、27~30℃の間で温度勾配をつけてあげることも大切です。朝と夜で温度差をつけてあげると尚いいです。

必要な用品

ボールパイソンを飼育するにあたって必要な用品はケージ、水入れ、保温器具、床材、ピンセット、餌などです。
それぞれ説明していきます。

ケージ

ボールパイソンは地表棲の蛇なので、高さは必要ありません。
ケージの広さは蛇がとぐろを巻いた3~5倍の広さを目安に選びましょう。

また、大きすぎるケージだと蛇が落ち着くことができずにストレスがたまったり、神経質になってしまうので個体の大きさにあったものを選ぶといいでしょう。

爬虫類用ケージのほかに、プラケ、衣装ケース、自作ケージで飼育される方もいます。

水入れ

水入れは主にタッパーに穴をあけて自作される方が多いです。
飲み水のほかに、湿度を保つためや、蛇が水に浸かる目的があるので、体が入る大きさのものを用意しましょう。
使う水は水道水で十分ですが、冷水は控えましょう。
体温が下がり動けなくなってしまったり、ショック死してしまうこともあります。また、冷水による死亡例もあるそうです。

保温器具

保温器具は主にパネルヒーター、暖突、保温球などがあります。
個人的にパネルヒーターが最も多く使われているように感じます。
パネルヒーターを使用する場合はケージの1/2~1/4に敷くことで温度勾配をつけられます。

地域にもよりますが夏はパネルヒーターのみ、冬は暖突とパネルヒーターを併用されている方が多いようです。年中エアコンで温度管理する場合はパネルヒーターのみでも十分だと思います。

また、保温球は蛇が巻き付いてしまった場合火傷を負うことになるので、ケージの大きさによっては使用を控えた方がいいでしょう。

床材

主に紙系、チップ系、砂系があります。

紙系で代表的なものはペットシーツです。
他にも新聞紙やキッチンペーパーなどがありますが、吸水力にあまり期待ができません。

ペットシーツで飼育されている方は多く、メリットとしては掃除の手軽さが挙げられます。デメリットとしては見栄えが悪い、生体がシーツの下にもぐってしまう、誤植の可能性がある。などが挙げられます。

次にチップ系ですが、爬虫類用のものから園芸用のものまでと非常に幅が広いです。チップの大きさとしては大きすぎず、小さすぎないものを選ぶといいようです。

メリットとしては、見栄えがいいのでレイアウトが楽しめます。
掃除は汚れたところを取り除くだけですが定期的に中身を取り換える必要があるので重いガラスケージを使っている方は結構重労働になります。

また、保湿性に優れているので湿らせることで湿度を上げることにも役立ちます。ただし、注意点として湿らせすぎるとダニが湧きやすいのと、餌の床材が付着し誤飲してしまう可能性があります。

砂系のものは、主に潜るタイプの蛇に使われます。ボールパイソンに使うというのはあまり聞いたことがありませんが、チップ同様見栄えがいいです。また、こちらも誤飲に気を付ける必要があります。

ボールパイソンは肉食なので主に与える餌はマウス、ラットになります。
マウスは蛇の完全食ともいわれているので基本的に代用はできないものと考えましょう。
他にボールパイソンに与えられるサイズの餌にはウズラやヒヨコなどがありますがマウスに比べ栄養価が劣るので特別な理由がなければマウス、ラットを常食として与えることをおすすめします。

餌の与え方

餌の大きさは蛇の胴体の一番太いところと同じかやや大きいものを与えます。

給餌頻度はベビーからヤングは週に2回、アダルトは2~3週間に一回のペースを目安に与えてください。

給餌頻度はあくまで目安なので、個体に合った餌の量を見極めることが大切です。糞を確認出来て餌を探しているようだったら上記のペースから外れていても与えてしまっていいと思います。

また、個体差はありますが脱皮前は食べなくなる個体が多いです。
食べたがる子もいますが、吐き戻しの原因になるので避けた方がいいでしょう。

また、ベビーからヤングの間に沢山食べさせることで大きくなりやすいです。
早く大きくしたいなどの理由で通常より多めに餌を与えることをパワーフーディングといいます。

パワーフーディングは高リスクな給餌方法で、パワーフーディングをすることで大きな蛇を仕上げることも確かに可能ですが、失敗してしまうこともあります。個体それぞれの成長スピードを無視して、成長させてしまうので消化不良や骨格の歪み、肥満などのリスクがあります。吐き戻しなどで体調を崩してしまえばそのまま落ちてしまってもおかしくないので、特別な理由がない限り辞めておいた方がいいでしょう。

ボールパイソンの拒食

ボールパイソンは拒食しやすい蛇とよくいわれています。

一般的に拒食の原因としては温度、湿度、餌の種類、餌の温度や大きさや質、ストレス、病気、怪我などといわれていますが、ボールパイソンの拒食は季節性の拒食というケースが多いです。

ボールパイソンの亜成体は自然下では季節の変化によって休眠することがあります。よって、飼育下にあっても季節の変化を感じ取り休眠期間に入ってしまうことで餌を食べなくなってしまうことが多くあります。
この場合、体重が減ることはないので放置しても大丈夫です。
焦ってあれこれ手を加えてしまうことによって逆に拒食に繋がってしまうこともあります。

ただし、急激に体重が落ちたり、背骨が浮き出てきたり、皮がたるんでくるようだったらそれは危険な拒食といえるので対処が必要になります。

最後に

いかがでしたか?

よく、ボールパイソンは拒食が多いから初心者向けではないともいわれますが、拒食というよりも性質的なものの場合が多いです。
そのため、こういった休眠期間に入ったため餌を食べなくなるケースを拒食と呼ぶべきではないという意見もあります。
勿論、命に関わる拒食の場合もあるので楽観視はできませんが、拒食が多いから初心者には向かないと言い切るのはちょっと違うんじゃないかなと個人的には思います。

ボールパイソンを飼育している方、これから飼育される方たちの参考になればうれしいです。