はじめに

レオパは丈夫で飼いやすいと言われている爬虫類ですが、怪我はもちろん病気にもなります。レオパをお迎えすることが決まったら必ず爬虫類を診てくれる動物病院を探しておきましょう。

爬虫類はエキゾチックアニマルと呼ばれ、診察してくれる病院が少ないです。
急な怪我や病気に対応できるようになるべく近場で探しておけると安心です。

レオパの怪我や病気は主に

・自切
・脱皮不全
・拒食
・クル病
・腸閉塞
・細菌性口内炎
・クリプトスポリジウム症

などがあります。
次はそれぞれどういったものなのかを説明していきます。

主な病名と症状

自切

じせつといい、強いストレスや身の危険を感じた際に
自分で尻尾を切ってしまう行為を自切といいます。

切れてしまった尻尾は再生しますが、元の大きさや柄、形になることはありません。また、再生した尻尾を再生尾(さいせいび)と呼びます。

健康上特に問題はありませんが自切はかなり負担がある行為なので尻尾を掴まない、無意味に驚かせないなどの予防を徹底しましょう。

余談ですが、爬虫類イベントなどでは再生尾の個体が相場よりかなり安く売られていることがあります。その理由は見た目の悪さからだと考えられますが、ストレスに弱い個体であるためという話もあります。

要するにストレスに弱く自切しやすい傾向にある個体という考えです。
勿論事故などの可能性もあるので断定することはできませんが、念のためにもお迎えした際にはハンドリングやお世話をなるべく慎重に行うようにしましょう。

脱皮不全

だっぴふぜんといい、レオパがかかりやすい病気のひとつで、脱皮がうまくできない、脱皮した後に古い皮が残ってしまうことを脱皮不全といいます。

主に湿度の低下、栄養不足などが原因で引き起こされますが、脱皮が下手な個体もいます。主に古い皮が残りやすいといわれているのが指先とまぶたで、指先に古い皮が残っていると指が壊死してしまったり、まぶたの場合は目が開かなくなってしまったりします。

対処としては脱皮の兆候が見られたら霧吹きなどで湿度を上げてあげることが大切です。脱皮前には体表が白くなるのですぐに分かりますよ。

そして脱皮の際に体を引っかけられるようザラザラとした素材のシェルターなどを用意できるといいでしょう。

また、普段から健康チェックを欠かさずに行い
脱皮後は特に念入りに体を確認することが大切です。

脱皮不全を起こしてしまった場合は軽度なものなら温浴(おんよく)で古い皮をふやかし、ゆっくりと剥がしてあげましょう。
無理に剥がそうとすると肌を痛めてしまうので気を付けて行ってください。
酷い場合はなるべく早く病院にかかりましょう。

拒食

きょしょくといい、爬虫類飼育においてかなり多いトラブルです。

ある日いきなり餌を食べなくなり、頑固な個体は死ぬまで餌を拒否することもあります。知人は飼育していた蛇を拒食で落としてしまいました。

怖い書き方をしましたが、レオパはアダルト個体なら水さえあれば一か月は生きていられるので焦らずに対処しましょう。

拒食が疑われる場合まずは温度と湿度の確認をしましょう。
温度が低かったり、湿度が高すぎると餌を食べなくなるケースが多いです。
また、環境的なストレスや単なる餌の好き嫌い、腸閉塞や寄生虫、気分的な問題だったりと本当に様々な原因があります。

ベビーの拒食や長すぎる拒食、体重が明らかにおかしい減り方をしている場合は迷わず病院に連れていきましょう。

何もしてもダメ
病院に連れて行ったけど食べない
ガリガリに痩せてしまってどうしようもない

といった場合には自宅でできる対処法として、強制給餌という方法があります。
ただし生体に尋常でないストレスを与える行為になるので最終手段と考え、安易には行うことは絶対に避けてください。

クル病

カルシウム不足が原因で骨が変形してしまう病気です。
また、発症してしまうと治療はできないといわれています。
他の症状としては拒食、けいれん、口の開閉などがあります。

給餌の際にダスティングをすることでクル病は防ぐことができますが、ビタミンDの不足やカルシウムの過剰摂取でも引き起こされるといわれています。ビタミン入りのカルパも販売されているので購入の際には要チェックです。

餌である昆虫には種類にもよりますがカルシウムが少なく、リンが多く含まれており、リンは過剰に摂取するとカルシウムの吸収を阻害するので
カルシウムとリンの比率を1:1、または2:1にすることでしっかりとカルシウムを吸収できるといわれています。

腸閉塞

床材などの誤飲で異物が腸に詰まってしまい、排せつが困難になる病気です。
中には腸閉塞を起こしやすい個体もいます。

少量であれば問題なく排せつされますが、それでもなるべく誤飲しないような環境を整えてあげましょう。

感染性口内炎(マウスロット)

主にマウスロットと呼ばれ、蛇に多い病気ですが
レオパの症例も多く報告されています。

餌を食べた際に口の中が傷つきそこから細菌感染などを引き起こすといわれている病気ですが、明確な原因は分かっていないそうです。

また、マウスロットにかかった個体の口の中では細菌が繁殖している状態なので、ピンセットなどの飼育用品の使いまわしで他の飼育個体にも感染が広がる恐れがあります。

重症化すると命に関わる怖い病気なので給餌の際に活餌の場合は頭を潰す、足を取る、弱らせるなどの対策をおすすめします。

クリプトスポリジウム症

クリプトと呼ばれ、様々なタイプがあり人を含む多くの動物に寄生する寄生虫の引き起こす症状のことです。

また、動物から人に、人から動物に移る病気を人獣共通感染症(ズーノーシス)といい、クリプトもそのうちの一つだといわれています。

基本的に爬虫類に寄生するタイプのものは人間に感染することはないといわれていますが、海外では感染例もあるので触れ合った後には手洗い、うがいをしっかりとしましょう。

クリプトにかかると拒食や体重減少、吐き戻しなどの症状が見られ、最終的には衰弱死してしまいます。

現時点では治療薬などもないので予防がかなり重要です。

主にクリプトに感染している生体から糞などを媒介に感染します。
購入した輸入個体、またはWC個体(ワイルドコート個体、ワイルド個体)が寄生虫を持っていて、先住の爬虫類達に感染し全滅してしまったという話を聞いたことがあります。

それほどに感染力が強い寄生虫なので、用品の使いまわしは避け、生体を迎えるときは信頼のできるショップで購入するようにしましょう。

まとめ

以上、レオパのかかりやすい病気についてまとめました。

ここで紹介している以外にもレオパがかかる病気は沢山あります。
基本的に動物は体の不調を隠す傾向にあるので、常日頃からの健康チェックは欠かさずに行うのが理想的です。

また、少しでもおかしいと思ったら自分で対処しようとせずに
病院にいくことをおすすめします。
前述した通り、動物は不調を隠したがるのでおかしいのが目に見えて分かるようになったら手遅れのケースも少なくないです。