青森県鰺ケ沢町の秋田犬「わさお」(推定13歳)が2020年5月8日に多臓器不全で天国へ旅立ちました。わさおの生前の活躍と愛された記録です。

わさおのプロフィール

わさおは迷い犬でした。青森県鰺ヶ沢町で焼きイカ店を営む菊谷節子に保護され、テレビや雑誌、新聞などで取り上げられたことから話題になりました。
鰺ヶ沢町から特別住民票が発行され、町おこし犬として活躍します。JR五能線・鰺ケ沢駅の観光駅長や、世界遺産活動特別大使“犬”(ワンバサダー)にも任命されました。
2011年3月5日には、わさおの半生をモデルとし、わさお本人が主演した映画『わさお』が公開されました。
2014年10月に、同じ秋田犬で青森県黒石市出身の「つばき」を妻として迎え、一緒に暮らし始めます。2016年4月には、つばきの実家の長毛秋田犬の子犬「ちょめ」も同居をはじめ「わさおのムスメ」として話題になりました。

亡き飼い主菊谷さんを待ち続けたわさお

わさおの人気と合わせて人気になった飼い主の菊谷節子さんもその人柄から人気がありました。菊谷さんに絶大の信頼を預けるわさおでしたので、菊谷さんが長期入院した際には、ストレスから脱毛が目立つようになりました。
仲睦まじい姿で微笑ましい姿をメディアで見せてくれていた菊谷さんとわさおでしたが、2017年11月30日0時21分、菊谷さんは間質性肺炎により73歳で帰らぬ人となりました。菊谷さんの死後、わさおの世話は菊谷さんの長男に任されました。
菊谷さんが亡くなった後の様子は、テレビ番組「天才!志村どうぶつ園」で放送されました。菊谷さんがいなくなった後のわさおは、食事も摂らず、水も飲まず、散歩にも行こうとしませんでした。わさおはいつも菊谷さんが現れる方向を見つめて、待ち続けました。菊谷さんと一緒に乗っていた軽トラを思い出し、道路を軽トラが通るたびに菊谷さんを呼ぶように吠えました。

わさおに菊谷さんが残したもの

菊谷さんは生前、「天才!志村どうぶつ園」のスタッフにあるお願いをしていました。わさおへの遺言ビデオレターの撮影でした。


「わさお、ホラこっち向け!
わさお、声だけなんだよ、声。分かる? ばあちゃんだよ。
うん、んだんだ、こっち向け。んだよぉ。(以下略)」


この遺言ビデオレターをわさおに見せるかどうかは、番組スタッフには決断することはできず、菊谷さんのご家族に託されました。
菊谷さんの旦那さんは、わさおにビデオレターを見せたい、妻の願いを叶えたいという思いでしたが、今わさおに見せても思い出して悲しむだけ、という結論に至り、ビデオレターは見せませんでした。
しかし、菊谷さんがわさおに残したものはこれだけではありませんでした。つばきとちょめの存在でした。菊谷さんが亡くなって1ヶ月後、3匹仲睦まじく散歩に出かける姿がありました。菊谷さんが、わさおのために2匹を家族として迎え入れていたことが功を奏したのです。わさおはいつも通りを取り戻しました。

わさお天国へ

菊谷さんを失ってからも元気に過ごすわさおでしたが、体長が急変しました。2020年4月に入ると、立ち上がることも難しくなりました。5月7日、食欲もなくなり、翌日8日の夕方に静かに眠るように最期を迎えました。
わさおの死はネットでもたちまちトレンド入りし、わさおを悼む声が多く寄せられました。

まとめ

わさおは迷い犬でしたので、推定13歳で天国へ行きました。人間で言えば90代前半にあたります。飼い主の菊谷さん親子だけでなく、私たち国民にたくさんの笑顔と幸せを与えてくれたわさお。大好きな菊谷さんや志村さんと天国で幸せにいてください。最後になりますが、わさおくんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。