はじめに

「蛇って咬むんでしょ?」「毒とか大丈夫なの?」

蛇を飼育していると必ずといっていいほど聞かれますが
蛇に対しての世間一般的なイメージはまだまだいいものとはいえませんよね。

しかし、蛇はペットとして人気になりつつある生き物で
女性の飼育者も多くいます。

本記事では
蛇についての疑問について経験談を交えてお伝えしていきます。

蛇って触れるの?

基本的には触れます。
また、蛇を手や腕に乗せたりして触れ合うことを
ハンドリングといいます。

荒いといわれている蛇も一度持ってしまえば足場の確保に必死になるので
何とかハンドリングできる場合が多いです。(本当にダメな子はダメですが…)

ハンドリングの際には、持つときは手際よく。が鉄則です。
咬むかも、とびくびくしながら手を差し出せば蛇にも緊張が伝わります。

また、掴むようなハンドリングはよくないので、
持ち上げるときはすくいあげるように、持った後も蛇の進行方向に手を差し出すように動かしましょう。
更に、蛇は頭や首、尻尾の先を触られるのを大変嫌がります。

蛇は基本的に触られることが好きではありません。
長い時間のハンドリングはストレスになるのに加え、蛇自身の体温が上がりすぎてしまうので、長くても3分以内に止めるのが理想です。

そしてハンドリングは賛否両論あります。
賛成派の意見としては、人間や人の手に慣らしておくことで
掃除や健康チェックの際に与えるストレスを最小限に止めることができるというもので、否定派の意見としてはそもそもハンドリング自体がストレスになるため極力触るのは控えるべきといったものです。

どちらも蛇自身のことを考えていて、間違っていないから
難しいところなんですよね。筆者は一応否定派寄りです。

蛇って結構デリケートなので、種にもよりますが本当にストレスに弱い生き物です。過多なハンドリングで拒食になりそのまま落ちてしまったボールを知っているので尚更そう思います。

それでもやっぱり慣れさせることも大切だと思うので
筆者は個体の性質を見極めて
掃除の際などに軽くハンドリングしています。
飼育していた子の中で、どうしても触れない子もいました。

蛇って噛む?

蛇といえばどうしても咬みつくだとか獰猛なイメージがありますよね。

単刀直入にいうと、抱きヘビやべた慣れといわれている個体でも
咬むときは咬みます

しかしそれは蛇だからというよりどの動物にもいえることで、こちらにはそのつもりがなくても蛇自身が命の危険があると判断すれば威嚇や攻撃の意味合いで咬みつくでしょう。

また蛇が咬む理由として考えられる理由は

・身の危険を感じたため威嚇、攻撃として咬みつく
・餌と間違えて咬みつく
・機嫌が悪い
・病気の可能性

などがあります。

それぞれ簡単に説明していきます。


身の危険を感じたために威嚇、攻撃として咬みつく

この場合の多くは口を大きく開け牙を当てるようにぶつかってきます。
こういった攻撃をアタックと呼びます。

荒いといわれている種類に多く見られ、例を挙げるなら
知人の飼育しているグリーンパイソンはケージの前に立っただけでバンバン飛んできました。

グリーンパイソンは樹上凄の蛇で
樹上凄の蛇は鳥類を主食としていることが多く、総じて牙が長く鋭いのでまともに食らうと割と深い傷を負います。

しかし、荒いといわれる蛇は要するに神経質で怖がりなだけだと筆者は思っています。大抵の蛇から見たら人間は大きくて得体の知れない怪物に見えるでしょう。
そういった蛇を飼育する場合はなるべく刺激せずに鑑賞目的だと割り切って飼育するのをおすすめします。また、荒いといわれている種類の蛇でも個体差があるので、人に慣れる個体もいます。

餌と間違えて咬みつく

これは割とどの種類にも見られ、言葉の通り手や指を餌と間違えて飛んできます。蛇自身は獲物を食べようと必死なので巻き付いてきつく締め付けたり、呑み込もうとしてきます。(攻撃としてこういった方法を取る蛇もいます)
大抵は呑み込めないと気づけば自ら離してくれるので焦らなくても大丈夫です。

特にカリフォルニアキングスネークあたりは動くもの何でも餌!といった具合に飛んできます。そこが拒食知らずともいわれる彼らの魅力ですね。

機嫌が悪い

単にしつこくしたとか、寝ているところを動かしたとか、無理に触ったりなど理由は様々ですが、「やめろー」といった具合に飛んできます。
この場合の攻撃はアタックが多い気がします。
これも蛇によって怒りの沸点が違うので、沸点の高い子なんかはこちらがびっくりするくらい咬みません。

病気の可能性

成長の過程で性格が変わることは多々ありますが
普段大人しい蛇がいきなり噛むようになった場合
まずは体調不良を疑いましょう。

恥ずかしながら飼育していたコーンスネークに低温やけどを負わせてしまったとき、元々大人しい子でしたがその時ばかりはとにかく荒くなりました。

大人しい傾向にある種類の蛇もいるので噛まれたくないという方はそういった蛇の飼育をおすすめします。どの蛇もベビーは比較的噛んでくる印象はありますが痛くないですよ。

咬まれない方法は?

咬むことは蛇にとってもストレスなので咬まれないように対策することが大切です。
まず餌の臭いがついた手で蛇に触れないようにしましょう。

主に、蛇にはマウスやラットを与えるのでハムスターなどの小動物を触った後は臭いなどで餌と間違え咬みつく可能性があります。

マウスよりも手の温度が高かったりする
マウスを通り越して、手に飛んでくることもあります。

また、食に貪欲な蛇は空腹時を避けてハンドリングするといいでしょう。
ただし給餌直後のハンドリングは蛇の負担になるので控えてください。

咬まれたらどうしたらいい?

気を付けても咬まれてしまった場合、まずは落ち着くことが肝心です。
無理に引きはがそうと引っ張るのは厳禁です。
蛇の牙が抜けてしまうこともあります。

大抵の場合はじっとしていることで口を離してくれますが、すぐに外したい場合は溜めた水の中に突っ込みましょう。そのうち息ができなくなって離してくれます。

また蛇は煙が苦手だから煙草や線香を近づけるといい、という方もいますがあまり意味がないうえに火傷の危険や煙草の害もあるのでやめておきましょう。
他には顔や頭に息を吹きかける、頭や尻尾を触るとビックリして離すというのもあります。

経験談としてはビックリして離す子もいれば、興奮して余計力を強める子の2つのタイプに分かれました。

また咬まれた後の対処法としては
流水で傷口をよく洗い、消毒しましょう。

蛇は大抵サルモネラ菌を持っています。
私たちがよく口にする卵にもついていることで有名ですが、海外ではペットの爬虫類からの感染で死亡した事例もあります。

毒はある?

現在飼育が許可されている蛇の中には毒を持つ種類もいますが、命を脅かすような猛毒を持った蛇は飼育が禁止されているので流通することはありません。

許可なく飼育できるメジャーな蛇といえばシシバナヘビですが、シシバナヘビの持つ毒も餌となる両生類を痺れさせる程度の毒です。
長く咬まれれば腫れ上がったりアレルギー症状が出ることもあるので侮れませんが、そこまで心配しなくても大丈夫です。

ちなみに日本の在来種で、マムシより数倍強い毒を持つとされるヤマカガシは特定動物で、許可さえあれば飼育できます。
ただし許可を得るためには様々な厳しい条件があり、その中のひとつには血清を用意しておく必要があるというものもあるので現実的に考えると飼育は中々に厳しいところがあります。

蛇って懐くの?

蛇だけでなく爬虫類は基本的に懐きませんが、慣れる個体もいます。

一部の種を除き、爬虫類は群れを作ることもなければ、子育てをすることもありません。自身にとって他の生き物は敵か餌か、その程度の区別しかついていないと筆者は考えています。

また慣れるといっても、敵でも餌でもない別のものの存在(人間)に慣れてもらう
という意味合いになります。
特に神経質な蛇だとそれも難しく、よく咬む荒い蛇といった扱いをされてしまいます。

よくコーンは懐く、レオパは懐くなどといいますが、ピンセットを見て寄ってくることを異常行動だという意見もあるくらいです。
(筆者は特にそこまで考えていませんが)

また、SNSなどで撫でられて目を閉じているトカゲや、手のひらの上で仰向けになって大人しくしているレオパの写真をよく見かけますが、「気持ちよさそう」「喜んでいる」というのは人間の主観です。

目を瞑るのは喜んでいるわけではなく、多くの場合は自己防衛です。

そして後者においては絶対に真似をするのはやめましょう。
体の構造的に仰向けにすることによって臓器や内臓に負担がかかります。
仰向けにされているレオパが大人しい理由は苦しいから、その一言に尽きます。

個人的に、「この蛇はめちゃくちゃ懐きます」なんていって生体を勧めてくる店員は信用していません。

餌は何を食べる?

多くのペットスネークがマウスやラット(ネズミ)を食べます。
他にはヒヨコやウズラ、大きい蛇にはモルモットやウサギ、子豚などを与えますが、子豚を食べるような大きさの蛇は、特定動物レベルにならないと中々いないと思います。(ブラッドパイソンの大きい個体なんかには与えるかたもいるそうです、知識不足だったらすみません)

ネズミを与えるのにどうしても抵抗がある方も多いと思いますが
マウスは完全食とも呼ばれていて、基本的に代用はできないものと考えましょう。
また、昆虫やカエル、魚、卵を主食とする蛇もいますが、総じて手間がかかる印象です。

蛇を飼っているというだけで偏見の目で見られることは多いですが
蛇ってハムスターを食べるんでしょ?
なんて聞かれることも多々あります。

筆者はハムスターを餌にすることはありませんし、周りにもいません。
というか、今まででネットを除いて見たことありません。

理由としては安定して流通している冷凍マウスがあるのに、ペットとして販売されているハムスターをわざわざ餌に選ぶ必要がないからです。
マウスもラットも、生餌としても売られています。

ハムスターは脂肪分が多く栄養価もよくありません。
活餌として与える場合は蛇を傷つける可能性もあります。
言い方は悪いですが、コスパも悪いです。

もちろん、生餌しか食べないのにどうしても入手手段がないなどの事情があるのなら話は別だと思います。

一部ハムスターをメインに与えている方も見られますが
全ての爬虫類飼育者がそうではないことを知ってもらえると嬉しいです。

飼う上で気を付けることは?

蛇を飼育する上でよくあるトラブルが拒食脱皮不全です。

拒食になる原因は本当に様々ですが、頑固な個体は本当に死ぬまで食べません。
また、拒食した蛇に使う最終手段として強制給餌というものがありますが、蛇に多大なストレスを与える上に、それが原因で拒食が悪化し落ちてしまうケースもかなり多いです。

次に脱皮不全ですが、こちらもまた原因が多く、湿度に気を付けていてもストレスなどで脱皮不全を起こすこともあります。

目や、尻尾の先に残ってしまうと危険なので早めの対処が必要になります。

また、蛇を飼育する上でのモラルとして
脱走対策は徹底的に行いましょう。

ケージはしっかりと蓋が締まるもの、ロック付きだとなお安心です。

もし、逃がしてしまった場合はまず戸締りを確認してください。
外に逃がしてしまえば、大問題になります。

一般の方からみれば大人しいコーンスネークも見たことない毒蛇ですし、臆病なボールパイソンもアダルト個体なら大蛇に見えるでしょう。

脱走してしまった蛇が帰化動物になってしまう可能性もゼロではありません。
特定外来生物に指定されれば、新たにペットとして飼育することができなくなってしまいます。

最後に

いかがでしたか?
一言に蛇と言っても本当に様々な性格や生態のものがいます。
懐かないとはいっても、他の動物にない魅力を持っているのが蛇です。

ちょっと珍しいペットを飼ってみたい方は是非蛇を検討してみてください。