みなさんは「カツオノエボシ」という生き物をご存じでしょうか?

最近TwitterなどのSNSでも話題となったこの生き物。

見た目はガラスのように綺麗な生き物ですが、非常に恐ろしい生き物なんです。

今回はこの「カツオノエボシ」について詳しくまとめてみました。

カツオノエボシって何?

カツオノエボシはクラゲの1種です。

名前の由来ですが、「カツオ」の部分は、カツオが到来する季節と同じ時期に到来することから名付けられたそうです。

「エボシ」という部分は平安時代などの貴族が使っていた「烏帽子」というかぶりものに形が似ていたことから名付けられました。

▲これが「烏帽子」です。なんとなく似ている…かも?

また、「電気クラゲ」という別名があり、触手部分に強い毒性を持つ針があります。これに刺されるとものすごい激痛に襲われます。

オオスズメバチなどと同じで、2度刺されたら「アナフィラキシーショック」という症状が出ます。この症状が出ると最悪の場合ショック死をしてしまうこともありますので、それだけ危険な生き物だということです。

カツオノエボシの見た目・構造

カツオノエボシは大きく分けで4つの構造をしています。

それぞれの名称とその役割についてイラストで図解してみました。

10センチ前後の浮袋を持つことが特徴的なクラゲです。

また、カツオノエボシは全体的に半透明で、色のついた部分は薄い青色~濃い青色をしています。青系統は海の色に溶け込んでしまうため、遠くからだと見つけるのは非常に困難です。

また、カツオノエボシは時折浜辺に漂着することがあります。

その漂着したカツオノエボシを、ペットボトルや袋などの「浜辺に落ちているゴミ」と勘違いしてしまい踏んだり触ったりしてしまうケースもあり、非常に危険だといえるでしょう。

触手は平均で10メートル、長いもので30~50メートルまで成長することがあるようです。

 

めめけめめけ

小学生の頃「50メートル走」をしたことがありますが、けっこうな距離があった記憶があります…。それほどまでに長い触手なんですね。

カツオノエボシを見つけたら?

カツオノエボシを発見した場合、とにかく近づかない・触らないことが最重要です。

それぞれ詳しく掘り下げていきましょう。

①近づかない

先ほども記述しました通り、カツオノエボシの触手の長さは平均10メートルあります。

もし10メートル先にカツオノエボシが見えて「あ、カツオノエボシだ!珍しいからもっと近づいてみよう!」と距離を詰めていったとしたら…?

触手が伸びていて、誤って踏む危険性がありますよね。そうなってしまうと本当に痛い思いをするので、好奇心で近づかないようにしましょう。

②触らない

むやみに近づかないのはもちろんなのですが、もしたまたま踏み込んだ場所にカツオノエボシがいた場合もあると思います。

その場合はどんなことがあっても決して触らないようにしてください。

カツオノエボシの触手に潜んでいる針は、カツオノエボシの意志で発射しているわけではなく、刺激で自動的に発射する仕組みになっています。

つまり、生きている個体はもちろん、死んでいる個体に触っても針が発射されるということです。

「死んでいるから大丈夫!」ということはありませんので、注意しましょう。

カツオノエボシに刺されたら?

カツオノエボシの針に刺されてしまった場合は、以下の手順で適切な処置をしましょう。

①患部についた針や触手をはがす

※はがす際、素手で行わないようにしてください。

必ずピンセット、タオル、プラスチックボードなどではがすようにしましょう。

②海水で洗い流す

③アルコールを塗る

④氷や冷水で患部を冷やす(可能であれば45度以上のお湯を当て続ける)

⑤医療機関へ行き、適切な処置を行う

 

やってはいけない対処法

以下の処置は誤った方法ですので、絶対に行わないでください。

①お酢をかける

ハブクラゲなどの別の種類のクラゲに関しては、お酢をかけることが正しい対処法としてあげられることがあります。

しかしカツオノエボシに関しては、お酢をかけた際の刺激によって毒針が発射される可能性があり、非常に危険です。決して行わないでください。

②砂をかける

クラゲの毒は熱に弱いので、熱い砂をかける方もいるようです。

しかし、これを行うと砂の勢いによって毒針が発射されてしまったり、毒針がさらに埋め込まれてしまったりするため行ってはいけない方法です。

③冷水(真水)で洗い流す

洗い流す際は海水でおこないましょう。

普通の水で洗い流してしまうと、浸透圧の関係で毒がより深くまで回ってしまう可能性があるからです。

④患部をこする・かきむしる

刺された箇所が痛んだりかゆくなったりすると思いますが、決して擦ったりかきむしったりしないでください。

こちらも毒が深くまで入り込んでしまったり、広がってしまうことがあります。

まとめ

今回はカツオノエボシの特徴や構造、刺された時の対処法などをまとめました。

これからの季節、海に行く機会が増えるかと思いますが、そんな時カツオノエボシを見つけたら要注意です。

海は楽しいイベントが多いですが、クラゲに刺されるといったトラブルも後を絶ちません。正しく知識を身につけ、行動しましょう。