犬といえば、舌を出してるイメージ、ありませんか?ありますよね。
…で、なぜ舌を出しているんでしょう……?
もちろん、体温調節のためでしょ?
元気なわんちゃんが舌出して散歩しているのをよく見かけるし。
それもあるけれど、実はそれだけじゃないんだ。
中には元気がなかったり病気のときに舌を出すケースもあるよ。
ということで、犬が舌をだすのはなぜか?なんの病気のサインなのか?
それぞれ見ていきましょう。
身体的な要因
体温調節しているから
一番の理由は「体温調節」!
水は蒸発するとき周りの熱を下げる、というのを理科で習った記憶はありませんか?水といいましたが、これは汗も同じ。人間は体の表面に「汗腺」という「汗を分泌する腺」があります。汗って、かいたあとに乾きますよね。その「乾いたとき」に、熱を下げて、人間や動物は体温調節をしているんですねー。
…あれ、犬は違うの?汗腺ないの?
そうなんです!!犬は足の裏とか、鼻の先っちょとか、ごく一部しか汗をかかないんですって。そのため、代わりに舌から水分を飛ばして、体温を調節する。そのために舌を出しているのです。
ちなみに、舌を出してハァハァ呼吸する行為を「パンティング」と言います。
「短頭種」だから
鼻がペチャンコのわんちゃん、いますよね。そう、パグとかブルドッグとかのことです。ああいう種類のわんちゃんを「短頭種」といいます。漢字で「頭が短い種類」と書きますね。
……ん?鼻はペチャンコだけど頭関係なくない?
まぁそうなんですけど…。具体的にいうと「鼻先~鼻の付け根(マズル)がめちゃめちゃ短い種類」という意味なんです。短頭種のわんちゃんは、他のわんちゃんよりも舌を出すことが非常に多いのだそう。
…当然こう疑問に思います。「なんで短頭種だと舌を出すことが多いのよ」と。
それは「口の中の空間の大きさ」が原因です。さっきも言いましたが、短頭種のわんちゃんはマズルが短い。つまり、口の中もせまい。舌の面積も小さい。そういった理由があって、パンディングの効果が他よりもショボくなってしまうと……。そういう宿命なんですね。だから、多くの時間パンティングをする必要があるということなんですね。
感情面
興奮しまくっている
人間もそうですけど、走っているときや遊んでいるとき、知らず知らずのうちに息が上がりませんか?息が上がるほど走ったり遊んだりすると、人間だって興奮状態になりますよね。犬も同じなんです。この興奮状態のとき、舌を出すことがあります。
リラックス状態だから
わんちゃんはリラックス状態のときでも舌を出します。
え!?興奮状態とリラックス状態ってまったく逆の状態じゃん!何でもアリか!
…と思う気持ちもあるでしょうが、こっちはまた別の理由があります。
リラックス状態、つまりこれは口の周りの筋肉がユルんでいる状態。だから自然と出てしまうといったところでしょう。飼い主のそばや、寝ているときなど、犬が「めっちゃ安心する」と思っているときに見られます。この状態のわんちゃんが見れたら嬉しいし幸せですね~。
カーミングシグナル
Calming Signal(カーミングシグナル)という言葉があります。ノルウェーの犬専門調教師に、Turid Rugaas(テゥーリッド・ルーガス)という方がいらっしゃって、その人によって作られた用語です。
犬は人間のように喋りませんが、なにも言葉だけが通信手段ではないのです。なんと、犬は通信手段として信号(行動)を使う場合があります。人間でいうジェスチャーみたいな感覚でしょうか。その犬特有の信号が30以上あるそうで、「この行動をしているってことは、相手の犬は今こう思ってるってことか!」と分かる、共通の認識の行動があるってことです。
で、カーミングシグナルのうちの1つに「舌を出す」という行為があります。これは相手に対して「落ち着いて!」と思っている時の合図なんですって。この時の舌の出し方が前述したパンディングとちょっと違う点、それは「口先をチョロチョロとなめるように出す」ところです。さっきまでの舌の出し方は、人間でたとえると息切れしてるときのように口を大きく開けてハァハァする感じでしたから、だいぶ様子が違いますねー。
この舌の出し方を見たら、わんちゃんはかなりビビってる状況。飼い主さんが怒ってたり、散歩中に出くわした犬が威嚇してきたり、そんなときに「ちょっと待って!怒んないで一旦落ち着こう!!」って思ってるってことですね。わんちゃんって賢いですね~。
精神面・ストレス
例えば病院に連れて行ってあげる前後の時間や、病院内で診察を受けているとき、地震が起こった直後など……。不安なことがあったりストレスを溜めていたりといったマイナスな感情が要因で、呼吸が荒くなることがあります。人間もたとえばお化け屋敷に入ったときに心拍数が上がって、不安になって、ストレスになったりしません?そんな状況の時、犬は呼吸の荒さに伴って舌を出します。
それ以外の時は要注意
病気にかかっているから
ぐでっと元気のない様子で舌を出していたら、病気のサインの可能性もあります。発熱がある、食欲がない、歩かない(ふらつく)、体重が減ってきている、注意散漫(ぼーっとしている)…など、いつもと違う場合は要注意です。下記に舌を出しがちな病気の代表例とその様子を挙げておきます。
熱中症
実は夏の散歩などで、知らず知らずのうちに熱中症にかかることがあります。犬は全身が毛でビッシリ覆われてますし、そのうえ汗もかきにくいと前述しましたよね。人間でいうところの毛皮のコートを着ているような状態なんだから、当然体温もこもっちゃいます。
また、四つ足で歩く生き物ですから、二足歩行の人間と比べて当然地面との距離が近くなっちゃいますよね。人間は地面から顔までの距離が150~180センチくらいあるとしたら、犬は20~30センチ程度。5~6倍は違うってことですから、そのぶん日光の照り返しがガッツリ体に当たりますし、地面からの熱気も全身で受けちゃいます。いくら散歩が好きな動物とはいえ、あまりやりすぎちゃうと熱中症になってしまうかもしれません。犬が舌を出して、心ここにあらずな状態だったり、ふらつきながらハァハァしていたら要注意です!
口内トラブル
口の中が痛く、口が閉じられないケースです。人間も口内炎や歯肉炎ができたらほんとーに痛いですよね。。腫瘍ができている場合もあります。舌を出しているだけでなく、ごはんが食べにくそうだったり、ヨダレを出していたりなど、口の状態が悪そうであればすぐに病院に連れていってあげましょう。
肺炎
肺炎とは肺に炎症を起こす病気のことで、ウィルスや細菌などによる呼吸器感染症の悪化や、異物などの誤飲によっておこります。重症になると死に至ることもあるため注意が必要です。
感染症の他には、アレルギーなどが原因の場合や、異物の誤飲、刺激性のガスや薬品などを吸い込んで肺炎を起こすこともあります。
https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/899
肺の役割として「酸素を入れ、二酸化炭素を出す」というものがありますね。ここに炎症が起こると体の中の空気の入れ替えが十分にできなくなり、呼吸が苦しくなる。結果的に犬は舌を出してハァハァと荒く呼吸してしまう、ということです。
そのほかにも、気管支炎、化学薬品やガスを吸い込んでしまって起こる中毒症状、クッシング症候群、僧帽筋閉鎖不全、てんかんなどのさまざま症状が原因となるケースも……。
つらそうにしながら舌を出して呼吸していたら、迷わず病院へ連れて行ってあげてくださいね!!
まとめ
犬が舌を出す理由としては以下のようにたくさんありました。
・体温調節
・感情が高ぶっているとき、リラックスしているとき、不安なとき
・病気のサイン
犬がどのような状態・場面のときに舌を出しているかによって、うまく見極めてあげることが重要ですね。
アラサー塾経営者です。白猫と黒猫を飼っています。英語の教科書のまとめをしつつ英語を勉強中。英語の教科書内容やペット情報など、気になったことをまとめていきます。