めめけめめけ

こんにちは、めめけです。昨日6月15日、狂犬病を発症していた患者が死亡したとのニュースが流れました。

この「狂犬病」、名前は知っていても具体的にどういうものなのか知らない…という方は多いのではないでしょうか?そこで、今回は狂犬病に関してまとめてみました。

狂犬病って何?

狂犬病というのは、狂犬病ウイルスを持っている動物に噛まれる・引っかかれるなどして、唾液に含まれる狂犬病ウイルスが体内に入り感染、その狂犬病ウイルスが脳神経に達したときはじめて発症します。

感染から発症までの潜伏期間は、短いもので1~2週間程度、長いもので約1年半です。ここまで期間がまちまちな理由は、咬まれた場所によって潜伏期間が異なるからです。

前述しましたが、「狂犬病ウイルスは脳神経に達したとき発症する」ため、脳に近い場所を咬まれたらすぐ発症し、逆に脳から遠いところを咬まれた場合発症までが長くなるそうです。

 

狂犬病というと、病名にもある通り犬が有名ですが、猫や馬、牛などもかかる病気です。自然界ではコウモリやアライグマ、スカンク、キツネなどもかかるそうです。

狂犬病にも流行りかたがあり、大きく分けて「都市型」「森林型」の2つに分けられます。

都市型…犬から犬へうつっていく流行り方

森林型…自然界の動物(コウモリ、キツネなど)の間でうつっていく流行り方

ただし、都市型や森林型のサイクルのなかで狂犬病にかかった動物から、人間にうつってくるというケースもあります。さらに、すべての哺乳類が狂犬病にかかるリスクがあるうえ、ほぼ世界中に存在するウイルスなので、人間にとっても非常に恐ろしい病気です。

狂犬病の症状は?

狂犬病には人間と犬では症状が異なるうえ、段階によっても症状が異なります。それぞれを詳しくみていきましょう。

犬の場合

感染してからすぐ発症するわけではなく、2~3か月後に発症するケースが多いそうです。

また、発症してからの症状は主に3段階あります。

前駆期

穏やかだったり従順だった性格が、落ち着きがなく挙動不審な性格に変わります。また、恐怖心から興奮状態となり、飼い主に対して反抗したり、遠吠えをあげたりします。今まで興味を示さなかったような異物を好み、刺激に応じて咬むようになります。ほかにも、瞳孔が開いたり、咬まれた部位を掻きむしるなどの症状があります。

興奮期

常に興奮状態で落ち着きがなくなります。光や音などの刺激に過敏に反応し、怖がります。食べられないもの(道端の石、土、枝など)を食べるなどの異常行動を起こします。咽喉筋が麻痺することで吠え声が変わり、顔つきも強ばってきます。この興奮期でけいれんを起こすと、麻痺期に入らずに死に至る場合があります。

麻痺期

咽喉筋だけではなく全身が麻痺状態になることで、歩くことができなくなります。さらに口が開いたままとなり、舌を出したままヨダレが常に出るようになります。吠え声はさらに変わり、むせるように発声するようになります。そのうち、昏睡状態となりやがて死亡します。

めめけめめけ

考えただけでも恐ろしいです……

ヒトの場合

人の場合は、1~3か月後に発症することが多いとされています。ヒトの場合も症状は主に3段階にわかれます。

前駆期

風邪のような症状からはじまります。具体的なものとしては、発熱、筋肉の痛み、だるさ、食欲不振、疲労感、吐き気・嘔吐などです。また、咬まれた場所の疼き・痛み・かゆみや、知覚異常などがみられます。

急性期

精神錯乱・不安感などをはじめとして、水を恐がったり、興奮状態に陥ったりといった精神的な症状がみられます。また、筋痙攣や麻痺のような神経症状がでてきます。

昏睡期

昏睡状態に陥り、呼吸停止のち死亡します。

狂犬病は日本でも発症する?

実は、日本でも何度か狂犬病が流行したことがあります。そんな流行が繰り返される中、昭和25年に狂犬病予防法が制定されました。この法律によって、飼い犬の登録や予防注射が義務付けられ、狂犬病予防に努めていきました。その結果、ヒトでの発症は昭和31年を最後に、もう60年以上発生していません。

(近年、日本でニュースになる狂犬病患者は、海外から狂犬病ウイルスをもらってきたケースのみで、日本国内での発症ではありません。

ただし、海外から狂犬病ウイルスをもらってきて、国内に広まり流行する可能性もあります。渡航の際や、咬まれた後の処置などには十分注意しましょう。

東京都福祉保健局のパンフレットより抜粋

狂犬病の治療法は?

残念ながら、現代の医学においても有効な治療法はありません。

唯一望みがあるものとして、ミルウォーキー・プロトコルという治療法があります。これは、ヒトを人為的に昏睡状態にし、抗ウイルス薬を投与するといった治療法です。まだ50人程度しかこの治療を試しておらず、生還した患者もわずかなうえ「この治療法で助かった」という決定的な証拠がないため、まだ実験段階の治療法といえるでしょう。

めめけめめけ

世界中で4~5万人が死亡しているのに、いまだに治療法がない、なんてことがあるんですね…

狂犬病にかからないための対策は?

イヌ(ペット)ができる対策

狂犬病の予防注射をうける

ペットの犬には、毎年1回狂犬病の予防接種を受けることが義務付けられています。そのため、これを怠らずに適切に予防注射をさせましょう。基本中の基本ですが、そのぶん一番大事だともいえます。

他の犬や野生動物とケンカをしない環境を作る

たとえば、外で飼っている犬が、野生のキツネなどとケンカをし、キツネに咬まれることで狂犬病を発症するというケースも考えられます。外で飼っている場合は、柵を設置したり、野生動物が入ってこれないような環境づくりをしましょう。

ヒトができる対策

野生動物に手を出さない

海外に行った場合にはむやみに犬・猫をはじめとする野生動物に手を出さないようにしてください。当たり前ですが、野生動物は狂犬病ウイルスの予防接種をしていません。当然、狂犬病を発症しないという保障はありません。十分に気を付けましょう。

予防接種をする

日本国内で暮らしている場合は特に必要ありませんが、海外に行かれる際に、ヒト用の予防接種を受けることもできます。渡航先や渡航目的などから危険性が高いと判断された場合は、この予防接種を受けるようにしましょう。

発症前に治療を受ける

もし犬や野生動物などに咬まれたら、発症する前に医療機関に相談しましょう。発症してからだとまず100%助かる見込みがなくなりますが、発症前に治療用ワクチンの接種などの適切な治療法を受けることで発症を抑えられる可能性があります。「咬まれただけでなにも症状がないからいいや」とないがしろにせず、少しでも疑わしい時は医療機関に相談するのがよさそうです。

まとめ

今回は、狂犬病の原因、症状、対策などについてまとめました。

日本はしっかりした狂犬病予防法があり、なおかつ島国なので、他の国と比べてまだ安全といえるでしょう。しかし、犬や野生動物が必要な予防注射をせずに海外から不法に入ってきたり、海外で咬まれたりなどして狂犬病になる可能性はゼロとは言い切れません。野生動物や犬に咬まれた場合、適切な医療機関などに相談し、適切な処置をうけるよう心がけましょう。